2014年01月06日

相続の相談質問コーナー「遺産分割協議後の解除」について

こんにちは。
スマイル相続相談センターです。

本日から仕事始めの方は多いのではないでしょうか。
いよいよ新年のスタートですね。

さて、本日も相続の相談質問コーナーです。

「遺産分割協議の解除」についてお話しします。

★質問★
 先日に母が死亡して、父と私と妹が相続人となりました。
遺産分割協議では、年老いた父の面倒を妹が看るかわりに、預貯金を2分の1と自宅を妹が相続しました。

 しかし、年数が経過してみると、実際は父の面倒はほとんどせず、暴力などのDVをするようになりました。

 そのため、私が父の面倒を看るようになり、父を引き取りました。
妹が遺産分割協議書で合意した内容を実行しない場合は、遺産分割協議を解除してやり直すことは出来ます?

★答え★
遺産分割協議を解除することは出来ません。

 一旦遺産分割協議が成立した場合、相続人の1人がその協議で負担した債務(本件の場合は、知tの面倒を看るということ)を実行しないときであっても、相続人の1人は、民法541条(債務不履行による解除)によって、解除をすることが出来ないと判示されています。(最判平1.2.9)

 遺産分割は、その性質上、協議が成立することによって終了して、その後は協議で決められた相続人間で、債務を負担した相続人と債権を取得した相続人との間に債権債務関係が残るだけと考えます。

 このことから、民法909条本文によって遡及効(遡って効力が生じるということ)を有する遺産分割を再度やり直すという事は、法的な安定性著しく害されることになります。

 つまり、遺産分割協議はちまたでいう「契約」ではなくて、権利の確定であるとされ、相続人の1人の債務不履行を理由として解除することは出来ないとされています。

 そのために、妹様には再度履行を促したり、損害の賠償を請求するしかないと思います。


 遺産分割「協議」と言いますが、実際には契約の性質は無く、自らの権利である相続財産を誰がどの財産を相続するかの「権利の確定」だという事ですね。

 難しいですが、こういった事もありますから、あらかじめ遺言書の作成や遺産分割協議を慎重に行うなどしましょう。

本日は以上です。

皆様が笑顔でいられますように・・・

【参考条文】
民法 第909条
 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

ワンポイント

法的安定性とは・・・昼と夜、春夏秋冬の四季の循環が不規則に変化したりしたら、私達の生活が成り立たなくなるように、国民の生活も、法や法の適用が不規則に変化すると、さまざまな不都合をこうむることになります。人々は法が安定して適用されることを信頼して行動しているから、この期待を裏切らないようにしなければなりません。法的安定性とは、法や法の適用を安定させ、人々の信頼を保護する原則です。(コトバンクより抜粋)

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