2014年12月29日

相続人にかかわる問題について

こんにちは。


スマイル相続センターです。


もうすぐ2014年も終わり、2015年を迎えようとしていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。


さて、今回は、相続人にかかわる問題について少しお話したいと思います


相続は、人の死亡を原因として開始します(民法882条)。


これにより、相続財産を分配するために、相続人を確定する必要がでてきます。


この相続人を確定する段階で、例えば、被相続人には子供がいるが、疎遠となっていて何十年も連絡を取っていないし、どこに住んでいるかもわからないというような相続人が出てくることがあります。


この時に、このような相続人(以下A)を無視して、連絡の取れる相続人(以下B)のみで相続した場合、Aは、自己の持分の分配を求めることができるでしょうか。


この問題は、民法884条が絡んでくる問題なので、ここで条文を見てみましょう。
民法884条は、「相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から20年を経過したときも、同様とする」と規定します。


もともと、当該条文は、法律上相続資格のない者(表見相続人)が相続財産を支配している場合(例えば、相続欠格者、後順位の相続人など)に、真正相続人が表見相続人に対して相続の回復を求める規定でした。


判例は、これを共同相続人同士でも適用があるとした上で、「他に共同相続人がいること、ひいて相続財産のうち自己の本来の持分を超える部分が他の共同相続人の持分に属するものであることを知りながらその部分もまた自己の持分に属するものであると称し、又はその部分についてもその者に相続による持分があるものと信ぜられるべき合理的な事由があるわけではないにもかかわらずその部分もまた自己の持分に属するものであると称し、これを占有管理している場合は、もともと相続回復請求制度の適用が予定されている場合には当たらず、相続回復請求権の消滅時効を援用して真正共同相続人からの侵害の排除の請求を拒むことはできない」としました(最判平成11・7・19)。


すなわち、上に挙げたA・Bの例に戻ると、Bは、自己の持分であると「信ぜられるべき合理的な事由」がある場合には、民法884条を用いて消滅時効を援用することができるのですが、それがなく、自己の持分であると称している場合には、そもそも相続回復請求権適用の場面ではないということになります。


したがって、Bが相続財産を独り占めしようと思い、Aを意図的に相続人から廃除したような場合には、たとえ、Aは相続権侵害の事実を知ってから5年が過ぎたとしても、884条の適用はありませんから、問題なく自己の相続権の持分の分配を求めることができます。


難しい話でしたが、いかがでしょうか。このような事例もありうることですので、相続人の確定等で気になることがございましたら。当センターへご相談お気軽にご相談ください。


それでは、来年もまた当センターをよろしくお願いいたします。


良い年をお迎えください。皆様が笑顔でいられますように。



代表 長岡

ワンポイント

※参考文献 二宮周平『家族法 第3版』(新世社)

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