2017年01月31日

成年後見制度に関する法改正について

こんにちは。


スマイル相続センターです。


今回は、昨年10月13日に施行された、成年後見制度に関する改正法の内容についてお話したいと思います。


この改正は、①郵便転送関係、②成年被後見人の死後事務について、新たな規定を創設するものです。そういわれてもピンとこないと思いますので、内容を確認してみましょう。


①郵便転送関係
これは、家庭裁判所の審判により、成年被後見人に届く郵便物を、成年後見人のもとに転送し、郵便物を開封するということが可能になりました。

今までの成年後見実務においても、成年後見人の受任通知を発する等して、個別に連絡を取ることで、郵便物を直接成年後見人のもとに送らせるということ方法は用いられてきました。しかし、この場合、なぜその郵便物を成年後見人が開封できるのかということには、見解が分かれていました。もちろん財産管理のために必要ということであれば、開封することもできなくはないと思われますが、明確な根拠規定はありません。

そこで、民法に、郵便物の転送及びその開封についての根拠規定が置かれることになりました(民法860条の2、860条の3)。
なお、転送に関しては、ゆうパックを除く郵便物に関しては、すべて成年後見人へと転送されることになりますが、成年被後見人の通信の秘密に配慮して、後見事務に関係のないものは、成年被後見人に返さなければなりませんし、転送の期間は6か月を超えることはできません。


②成年後見人の死後事務
これは、成年被後見人が死亡した場合において、各種費用の支払や、遺体の火葬等の手続を、成年後見人が行えるようにするものです。

現在の法制度では、成年被後見人が死亡した場合、その後見は当然に終了されるものとされています(民法111条1項、653条1号)。しかし、現実的には成年後見人が、死後事務を行う必要性もあり、事実上の死後事務を行うこともありましたが、どこまでの行為ができるのか、法律上明確ではありませんでした。

そこで、このような死後事務の必要性を考慮し、成年後見人が行える死後事務の範囲を法律によって明確にしました(873条の2)。
どの範囲の死後事務が行えるかを明確にすることで、相続人等との争いを未然に防ぐことができますし、成年後見人も堂々と後見事務の範囲内であると主張できるものと思います。


今後の成年後見実務は、これらの規定を用いることになりますので、その業務にあたっては十分注意をしていきたいと思います。


皆様が笑顔でいられますように。


代表 長岡

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