2016年10月18日

遺言書の検認

こんにちは。


スマイル相続センターです。


今回は、自筆証書遺言を書いて、実際に遺言者が死亡し、その遺言書を確認する段階の手続のお話をします。


自筆証書遺言を書きますと、多くの方は自分からすぐ近くの場所に保管していることと思います。そこで、相続人が遺品整理をしていると、この遺言書が見つかることがあります。


では、遺言書を見つけた場合、発見した相続人は、その遺言書の中身を確認して、このとおりに遺産相続をしましょうといって、勝手に遺言を執行してしまってよいのでしょうか。


答えはノーです。


遺言書の保管者や遺言書を発見した相続人は、相続開始を知った後すぐに、家庭裁判所に検認を申し立てる必要があります(1004条1項)。そして、遺言書に封がしてある場合、相続人かその代理人の立会人の上で、家庭裁判所において開封をする必要があります(同3項)。これに違反して勝手に封をしてある遺言書を開封したり、検認手続を怠って遺言執行をしたりすると、5万円以下の過料(刑罰ではないですが、義務違反等の制裁として科されたりします)が科されてしまいます。


では、なぜ検認を経なければならないのでしょうか。


これは、自筆証書遺言は、偽造・変造のおそれがあるため、裁判所のチェックを経る必要があるからです。


もし、遺言書の中身を見てしまって、自分に不利なことが書いてあったとしたら、ひょっとしたらその相続人は、発見された遺言書に自分の有利なように手を加えてしまうかもしれませんよね。そのために、まずは家庭裁判所に持って行って検認をすることで、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にしてもらう必要があるのです。これは、証拠保全をする意味を持ちます。


一方、公正証書遺言の場合は、このような検認手続は不要です。


なぜなら、公正証書遺言は、公証人がその内容を確認して、作成し、遺言書の原本は公証役場で管理することになりますので、偽造・変造のおそれがないからです。


ですから、自筆証書遺言は単独で作成できるという点でメリットはありますが、偽造・変造を防ぎ確実な遺言の執行を、と考える場合には、公正証書遺言を作成するべきといえるでしょう。


皆様が笑顔でいられますように。


代表 長岡

ワンポイント

秘密証書遺言の場合も、遺言者が自分で遺言書の保管をすることには、自筆証書遺言と変わりはないので、同様に検認手続が必要です。 なお、検認手続は、遺言書の有効・無効を判断するものではないので、遺言書が無効だと思う相続人は、その有効性を裁判所で争うことができます。 参考文献:二宮周平『家族法 第4版』(新世社)、参考HP:裁判所HP「遺言書の検認」http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_17/

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